2012年 6月定例会

十番 長谷部 健 
今年の二月、上海に行ってきました。大学生のときから毎年どこかの国を訪れていたのですが、子どもが生まれてからは何となく遠のいていて、六年ぶりの海外でした。いろんなことに気がついたり、思い出したりするには、久しぶりだけに、そういうことがすごく多い機会でした。
 二十一世紀になって、東アジアの勃興ぶりが世界中から注目されています。御存じのとおり、中国、シンガポールが先頭を走り、タイ、マレーシア、インドネシアが続けとばかりに国を上げて躍動し始めている印象です。東アジアでは、上海、シンガポール、東京が経済や文化の面から国際都市のリーダー格というのが大方の見方だと思います。国際都市を標榜する渋谷が同じ東アジアの国際都市と何が違い、どういう部分が参考になるのか、この目で確かめ、肌で感じたいという思いで、まずは一番近い国際都市上海を視察してきました。
 まずは入国早々のエピソードです。夜八時ぐらいに上海浦東空港に到着。空港をおり立ち、ホテルに向かうためにタクシー乗り場に行き、ポーターに英語で行き先を伝え運転手に通訳してもらうと、どうやら運転手はホテルの場所がわからず、なぜかポーターと口論。口論のように聞こえると言ったほうが正確かもですが、口論が始まり、どうも遠回りされながらホテルに到着。料金もやや高く、ぼられたかもです。飛行機移動の疲れと入国早々食らったタクシー騒動で疲れが出てきました。でも、よく考えたら、日本以外の国に行ってタクシーに乗るときにいつも感じるこのぼられるかもという緊張感、これこれ、この感じがむしろグローバルスタンダードなんだよねと久しぶりの海外の空気を感じた初日でした。
 そして翌日、視察初日です。向かう先は、上海一の高層ビル、上海環球金融中心。日本の企業、森ビルが開発をしました。世界で三番目に高いとのこと。本当に高いです。ちなみに、上海市は面積が六千三百四十・五キロ平米、渋谷区が十五・一一キロ平米ですから、すごい大きいです。人口は二千三百万人。市というには本当にすごい規模です。
 森ビルが上海で開発するに当たりつくった上海市の模型を見学しました。この議場ぐらいある面積のところに模型があるんですが、かなりの精度です。模型なのにすごいスケール感です。そのまちの模型を俯瞰で眺めると、ふだん気づかないところに気がついたりします。まちづくりをするに当たっては、こういった視点でまちを眺める必要があるなと感じました。渋谷区役所にもあれば非常に役立ちますね。ちなみに、中国政府の方々もよくこの模型を見学に訪れ、まちづくりの参考にしているとのことです。
 この模型を使い、上海の開発の歴史や日本企業の中国での立場やまちづくりの説明を第一線で働く現地の法人企業の方々から受けました。今や、企業の一線級の人材が来て仕事をしていかないとどうにもならないとのこと。いつまでの日本のほうが上だとか、そんな気持ちでいると世界から遅れをとると熱弁されていました。
 まちの中心部は、スカイデッキという歩道が整備され、非常に歩きやすく、交通渋滞の緩和に役立っています。住宅エリアはヨーロッパ型、何かドイツっぽい感じでしたが、道路や住居や公園が整備されているのに対し、中心部は緑を多く配置し、地下と高層を利用するという最新の都市設計。どちらも後出しじゃんけん的に世界中の都市を研究しつくっているので、本当にすばらしい。ちょっと悔しい感じもしました。
 上海の空は、東京よりちょっとよごれているのかなとも思いますが、上海万博のときはなぜか空は青々となっていたとのこと。原因と思われる工場などが休止だったりしたとのことです。原因がわかっているので、十年もたてばきっときれいな空になるんだろうなということが想像つきます。
 繁華街である南京東路に行きました。非常ににぎやかです。東京と変わりません。どちらかというとニューヨークみたい。とにかくにぎやかです。フォーエバー21ももうすぐオープンだったし、アップルストアも超長蛇の列です。新しいショップや流行のブランドは東京と変わらず、むしろもっとはやっている感じです。力強い経済成長を目の当たりにしているみたいです。東京と大きく違うのは、同じブランドショップでも大きい、広いということ。これは大陸の強みです。
 ビルの裏手には、古い建物や路地が存在します。決してごみが散乱するスラムとは全く違い、ただただ古いという感じ。よく、新しいビルの裏はひどいと聞いていましたが、実際に見るとそうでもなかったです。まちのところどころにコンクリートの壁があって、その裏側は草ぼうぼうということはありますが、事前に聞かされていたように汚いということはそんなに強く感じませんでした。
 夕方、新天地というところからホテルまで地下鉄を乗り継ぎ帰りましたが、日本の東京の地下鉄になれているせいか、乗りこなすのは簡単でした。また、結構混雑しているんですが、赤ちゃん連れの母親に席を譲る姿を一時間弱の地下鉄移動の最中に二回も目撃。モラルも決して低くないと実感しました。上海万博に向けての啓発がうまくいった成果だと現地の邦人の方々がおっしゃっていました。
 二日目は、上海市郊外のこれから開発が行われるエリアを回りました。虹橋駅を視察しました。言葉で説明するのは難しいんですが、まるで空港のような駅です。そのスケールに圧倒されました。ハブの駅というのはこういうのをいうんだろうなという感じです。あと、縦が一メートル、横二メートルぐらいのボートがずらりと三十メートルぐらい至るところらに並んでいるんです。これは駅だけじゃなくてまち中にもあるのですが、どういうボードかというと、三十年前から今、そして未来、要するにこんな汚いまちといったら失礼かもしれないけど、がこういうふうに区画整理されてきれいになってきて、将来こういうもっと住みやすいまちになるんだというのがまちづくりの様子がプレゼンテーションされていて、これが多くの市民が未来のイメージを共有するツールになっていて、プロパガンダとしては本当にすばらしいなというものでした。日本とは違い、建物や土地に余裕があるのでこういったスペースが生まれるんだと思いますが、これも参考になります。
 駅の周りの四方はだだっ広い感じで、これから行われる開発を待って更地になっています。その面積はおよそ渋谷区の七倍くらいの面積とのこと。眺めただけでそのスケールに度肝を抜かれました。また、とにかく建物が大きい。当たり前のことなんだけどびっくりしました。
 さらに驚いたのは、土地があるからですが、建物に無駄なスペースがたくさんあるんです。日本の開発では、目いっぱいに建物を建て、目いっぱいにその容積率を利用するというのが合理的だと考えられているようですが、「将来何が起きるかわからないので、無駄なスペースや空間をとっている」とのことでした。何かを変更したいときにギッチギチだともうやりようがないですが、余分なスペースを確保していけば変化に対応しやすいとのこと。僕らからするとパラドックス的かもしれませんが、これが真理かもと思いました。
 また、上海万博跡地や現地日本人学校、中心街にある高級ショッピングセンターなどを回りました。ショッピングセンターはピカピカで物すごいです。世界じゅうのブランドが集まっています。ヒカリエも負けていないけど、立派でした。
 東京でいえば紀伊国屋や明治屋といった感じの高級スーパーが入っていて、偶然日本フェアをやっていました。魚はほとんど長崎県のもの。壱岐や対馬、五島列島も長崎県です。東京に運ぶのと同じぐらいの感覚で上海に卸している、上海のほうが高く売れるということです。今まで東京を向いていた日本の地方都市も変わってきています。このスーパー全体にいえるのですが、値段は紀伊国屋より少し高いだけかなという感じです。普通に考えたら高いんですが、すごく売れているとのことです。しかも、買っているのはほとんどが上海人。日本人には高いんです。想像していたのと違う現象でした。高い製品は日本や欧米の人々が消費しているのかと思いきや、上海裕福層のほうが消費しているという現実です。
 夜は現地邦人の方々と会食。今や、上海の成長は半端じゃなく、間違いなく東アジアを代表する国際都市で、アジア経済の中心。十年前にちょっとなめて二軍を送っていた日本の企業はことごとく撤退という憂き目に遭っています。今やエースを投入しない企業は厳しいとおっしゃっていました。まさに現地で働く人の生の言葉が印象的でした。
 頭ではわかっていましたが、上海の発達ぶりは、それはもう東京をしのぐ勢い。というか、しのいでいます。建物などのハードの部分はすごくても、モラルやマナーなどのソフト部分はまだまだでしょうという意見も聞きますが、こと上海に限っては、モラルやマナーもしっかりしているし、もっともっとよくなるだろうという空気を感じました。
 道行く車も、ベンツ、レクサス、アウディ、BMWなどの高級車が表参道で見かけるのと同じぐらい走っています。ちなみに、そのクラスの高級車は関税も高く、一千万円クラスとのこと。そんな車がごろごろ走っている現実。平均年収は東京のほうが高いと言われていますが、きっと現実は違うのかなと感じます。昨日のマーケットもそうだったけど、上海人のほうが裕福かも。環境にかかわる数値は日本のまちのほうがすぐれていますが、きっと十年もすれば追いついてくるでしょう。
 ホワイトカラーの人は、大抵が中国語、英語、日本語のトリリンガルでした。同じ国際都市を標榜する渋谷はどうかと思うと、正直ちょっと歯がゆいです。渋谷が本当の意味で国際都市になるためには、もっともっと海外の都市を訪れ、実際に肌で感じる必要があると強く感じました。議員や職員や子どもたちや教師などがもっと海外の国際都市に実際に行かなくちゃと強く感じた視察でした。
 今回は、この国際都市をキーワードに質問していきます。
 まずは、先ほども説明した渋谷区の模型をつくりまちづくりに活用してはどうかという提案です。
 どうやら三千万はしてしまいそうな高価なものですが、まちづくりには欠かせないものと感じます。一般にも公開することで、民間企業のまちづくりにも役立ちますし、議員にも職員にも、渋谷区の未来を語るときには有意義だと思います。また、企業に貸し出しもできるようにすればそこそこ収入も見込めるのではと思います。区長の御所見をお伺いします。
 次に、これからも国際都市として世界に発信していく渋谷区ですから、渋谷区の未来を考える人は、海外の国際都市を訪れ、実際に見て肌で感じ、学んでくる必要があると思います。議員はもちろんのこと、職員や中学生ぐらいの子どもがもっともっと行くべきです。全面的に税金を使って行くと、くだらないけど異論を言う人たちもいるかもしれないので、例えば今年の国際都市視察予算は三千万円、うち半分の千五百万円は渋谷区が負担します、残りの半分を渋谷区がもっと国際都市になってほしいと望む方や企業から寄附を募り、寄附金が千五百万円に届いたら実施するとするなど、応援団を募ってはどうでしょうか。渋谷区への寄附は非課税になるので、寄附のしがいがあるかと思います。
 現実、区長発言でもあったように、東急さんから一千万円の寄附をいただき、フィンランドに子どもを行かせたいとおっしゃっているので、区長にはこの考えに共感していただけるのではと思っていますが、子どもたちに未来の国際人になってもらうには非常に有意義なのですが、彼らが国際感覚を持ってまちづくりに参加するようになるにはあと十年はかかってしまいます。十年も待っていたら、アジアのほかの都市の成長スピードを考えると取り残されてしまう可能性もあります。子どもたちだけじゃなく、是非大人も、特に区の職員の方々に海外の国際都市を肌で感じ、区政に生かしてほしいです。区長の御所見をお伺いします。
 都市化していくにつれ地域コミュニティが衰退していくという現象がどの都市でも課題になっています。これを解決する方法としては、一つではなく、幾つもの施策を実施し、新たにコミュニティが形成される場を用意する必要があります。以前御提案した隣人祭りもそうですが、今回は、都会らしくカフェを活用し、コミュニティを形成する場をつくろうという考え方です。
 私ごとですが、妻の実家が愛知県にあります。岐阜に近い一宮というところなんですが、この辺のカフェというか、喫茶店が本当におもしろいんです。
 御存じの方もいるかもしれませんが、コーヒーの味というよりは、モーニングサービスで競っています。三百八十円でコーヒー、トースト、サラダがついてくるというメニューで、多くの方がそのリーズナブルさから朝食を喫茶店でとっています。大体それぞれのなじみの喫茶店があって、義理の父を見ていると、そこで商店会のこと、釣りのこと、ゴルフのことを話しています。立派なコミュニティスペースとなっているんです。
 東京では、朝、スタバに集まり朝食を食べながら勉強会をしている若い社会人たちが以前メディアで紹介されていました。今、地域コミュニティというと、町会、商店会が中心ですが、形を変えた地域コミュニティがカフェに見受けられます。こういった活用がされるカフェをもっともっと増やすことを区が応援してはいかがでしょうか。現在、土地の値段も高く、カフェ事業で収支を合わせることがなかなか難しいですが、既にある公開空地で安い家賃でカフェができるようにするとか、一階にオープンカフェをつくれば容積の緩和をするとか、促進する方法はあると思います。名づけてカフェ特区渋谷、いかがでしょうか。区長の御所見を伺います。
 次も行政のリソースを活用した地域コミュニティが形成される場づくりについてです。名づけて渋谷区公園倍増計画です。
 例えば渋谷保育園の遊歩道側の入り口の横にポケットパークがあります。ここのポケットパークは一味違って、近所のデザイナーの人がちょいちょい手を入れていて、ハーブがあったり、おしゃれな策があったりと、ちょっといい感じなのです。さらには、時々その人が仲間を集め、お茶を飲みながらわいわいとやっています。立派なコミュニティスペースです。ちょっと手入れをすればそれを仲間にも知ってもらいたく、人を集めてコミュニティを形成してしまうのです。ポケットパークサイズの公園はこうした活用方法があると発見しました。
 例えば、今コインパーキングになっているところを、三年ぐらいの契約でいいので区が借りたり、区が既に持っている土地で車一台ぐらいのスペースがあれば簡単にポケットパークができるのではと思います。別に植物を植えなくても、机といすを置くだけでもいいし、それを管理してくれる人さえいればそんなに難しい話じゃないと思います。町会や商店会に参加しない人もここならば参加してくると思います。目標は、今ある渋谷区の公園百二十二カ所を倍にする勢いでポケットパークを増やしてみませんか。さらに百カ所以上の有意義なコミュニティスペースができると思うと、価値があるはずです。区長の御所見をお伺いします。
 上海で感じたんですが、バイリンガル、トリリンガルが非常に多いということです。渋谷でも実践的な英語教育がなされていて、特に力が入っていますが、現実はその効果はまだまだと言わざるを得ません。英語の文法の知識はそこそこあるのにしゃべれないというのが現状で、そこを打開するためにALTを配置したり、より実践的な英語教育の場を提供しているのですが、さらにもう一歩踏み込んで、例えば音楽、美術、体育の先生は外国人で、英語で授業をするという機会を授けてみてはいかがでしょうか。英語重点校の松濤や本町学園、国際交流学級と併設している神宮前小学校などで実践してみてはいかがでしょうか。区長の御所見をお伺いします。
 国際都市として、東京・渋谷がもっともっと進歩していくためには、経済的な面も大事だけど、文化面での成熟が求められています。もっと大胆にいうと、稼ぐということを目的とするならば、もうシンガポールや上海に行けばよくて、クリエイティブな分野を学ぼうと思うなら東京となる、二十一世紀の東京の姿はこうあるべきと思います。そういったときに、もっとアーティストたちがまちで活躍する場所が必要です。
 そこで、新しいビルを建てるときに必ずアーティストの作品を飾るということを義務化してはいかがでしょうか。パリでは実践していると聞きます。渋谷でもこれを実践し、アートなまち渋谷をもっと強く発信しませんか。区長の御所見をお伺いします。
 現在の渋谷では、新しいカルチャーの芽が出てきています。ノマドワーカーの出現です。ノマドとは、遊牧民を意味する英語で、自宅やオフィスの机といった一カ所にとどまらず、カフェや居酒屋など、様々な場所を自分の居場所として仕事をこなす人です。よくまちで見かけるでしょう。余り見かけない。この人々は、今後の渋谷の未来を語る上では外すことのできない登場人物となります。今の渋谷の資産でもあるギャルカルチャー、裏原カルチャー、ITカルチャー、エコカルチャー、アートカルチャーなどなど、こういったカルチャーにはこういったスタイルで仕事をしている人が多くかかわってきています。既にほかのまちと比べるとWiFiが充実しているお店が多く、渋谷はノマドにとっては活動のしやすい場所のようですが、公園や区民施設などでもっとWiFiフリーの場をつくることでもっと彼らが活動しやすいまちになります。渋谷に思い入れを持ってもらって、渋谷のまちづくりに欠かせない人材になっていってほしいものです。そのためにもっとWiFiフリーの場所を増やすことを実践してはいかがかと思います。
 災害時にも役立つとの提案も昨日他の議員からありましたが、こういったメリットもあるんです。区長の御所見をお伺いします。
 国際都市の中で、ファッション、アートの部分は、渋谷の持つストロングポイントです。この地位を確固なものとするために、今、民間がやっているファッションウイークやデザインウイークに積極的に渋谷区が手を貸してはいかがでしょうか。税金を投入するということじゃなく、場所を貸したり、コーディネートすることでサポートができると考えます。
 例えば、その期間中は宮下公園や公園通りでファッションショーが行われたり、区役所などの建物に映像が映写できるようにしたり、これは渋谷の地下鉄の入り口が終電時にはシャッターが地下の入り口は閉まると思うんですが、二つ閉まりますよね。上側のところをあけると観客席みたくなって、小劇場とか、いろんな歌を歌ったり、そういうステージになると思うんですけども、例えばそういう交渉を区がやってみたらいかがでしょうか。こういった場所を用意することでスポンサーメリットをつくってあげれば、イベントの資金を獲得する手助けにもなるだろうし、やれることがたくさんあるはずです。こういったイベントを継続していくことで、世界にファッション、アートは渋谷だと発信していけます。まずは区が場所貸しやコーディネートをするところから「一緒にやらない」と呼びかけてみてはいかかでしょうか。手を挙げる人、団体が必ず大勢いると思います。区長の御所見をお伺いします。
 国際都市として、ダイバーシティの要素を含んでいるというのは丸必です。多様性を受容する都市として、LGBT、これはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーという頭文字をとった総称なんですが、それをLGBTといいます。そのLGBTの方々についても考えていきたいです。
 僕の友人知人にもLGBTの人がいます。まあ全くもって普通だし、むしろいろいろな分野でその感性が生かされ活躍しています。昔に比べてだんだんと市民権を得てきていますが、国際都市の中では東京はこの分野ではまだまだ遅れをとっています。特に結婚ということではいまだに意見が割れているというのが現実です。日本の法律でも結婚は認めていません。
 そこで、渋谷区は、区在住のLGBTの方にパートナーとしての証明書を発行してあげてはいかがでしょうか。いまだに式場で同性同士は断られることがあるそうです。行政がパートナーとして認めているとなれば、その壁を崩すいい材料になるでしょう。また、法律でICU、集中治療室にも家族、つまり一親等の親族しか入れないため、自分のパートナーがICUに入った場合、断られるというケースもあるようです。病院関係者に話を聞くと、臨機応変に対応はしているといいますが、断る場合もあるということ。非常に難しい問題ですが、区が証明書を出すことで少なくとも渋谷周辺の病院に区が掛け合い、証明書を持っているカップルは安心して暮らすことができる環境を整備してはいかがでしょうか。この証明書を発行することでLGBTの方々の区民が増えると思います。ファッション、アートを盛り上げるには、彼らの感性は大きな要素となるでしょう。「おかまやおなべが近所に住んでいて嫌だ」という声も上がるでしょうが、もうそんな時代じゃありません。パートナー証明を発行するということを御検討されてはいかがでしょうか。区長の御所見をお伺いします。
 また、前回質問時に御提案したアパレル在庫寄附制度の創設についてです。
 区内アパレルメーカーの抱える在庫を寄附として区が受けつけて、区民フェスティバル等で区民に還元する。メーカー側も負債である在庫を寄附として計上できるのであればメリットを感じるはずという企画です。割と前向きの答弁だったのですが、その後、アイデアがお蔵に入ってしまいそうな感じなので、再び提案です。ファッションのまちとして、区民にもそれが還元されるこの企画について実施しませんか。区長の御所見をお伺いします。
 最後にゆるキャラについてです。
 現在、ゆるキャラづくりが進んでいるとのことですが、是非国際都市渋谷らしいものにしてほしいです。ターゲットも国内だけじゃなく、世界を相手にするキャラクターをつくってほしいです。悪いけど、渋谷ですから、ひこにゃんやくまもんとは違うはずです。また、うまくいけば、「これだけ観光客が来る渋谷区なのにお土産がない」というウィークポイントが解消するかもしれません。
 ゆるキャラが決まった後は、積極的に戦略をもって広めていく必要があります。当然、ハチ公バスもそのキャラクターにしたほうがいいし、区内のあらゆる場面で登場させる戦略が必要です。キャラクターが決まってからその作者と版権についても問題が出がちです。仮に世界にとどろくキャラができた場合、そのロイヤリティを作者に払うと莫大な金額になります。そうであれば、例えば一千万円の賞金を掲げ、国内外プロアマ問わず広く募集し、採用された場合はその版権を区のものにするという具合にしていくやり方もあるかと思います。中途半端なものをつくれば、逆に渋谷のブランドに傷をつけることになってしまいます。情報発信力のあるまちですから、反面、しょぼいものを発信するとしょぼしょぼっとしょぼい話が広がってしまいます。やるのであれば、是非気合を入れて製作していただきたいです。区長の御所見をお伺いいたします。

○議長 前田和茂 桑原区長。
○ 区長 桑原敏武 
無所属クラブ、長谷部 健議員の代表質問にお答えをしたいと思います。
 長谷部議員が上海を視察されて、それを起点としての御質問であったと、このように思います。夢があって、そのフレッシュな感覚、聞いていて大変楽しく思いました。できることならばやりたいと、このような気持ちになるお話であったと思いますけれども、大体役人というのは無意識的に自分がいつも主役、直営の仕事しかやらないという感覚がございます。今申されましたようなファッションやデザインを初め、あるいはアートの方々の文化人の力をかり、あるいは時代感覚に即応した施策展開ということについては、私も含めて不得手であると、このように思っております。
 そうであってみれば、皆様方のこの長谷部さんのこのお知恵をかりながら、さらに渋谷も時代に遅れないようなそういう努力をしなくてはならない、そのようなことを感じた次第でございます。
 ただ、一点、我々は役人でございますから、この自治法上の規制があったり、あるいは財産管理についての規制もある。様々な規制がありますけども、御意見をまた受け止めて対応していきたいな、このように感じております。
 最初に、渋谷区の模型をつくってというお話がございました。私もそのように思っております。そのためには金がかかる、一方では、それを展示するスペースが要る、このようなことを思う次第でございまして、そのようなことを考えながら検討してまいりたい、このように思います。
 子どもや職員をもっともっと海外に派遣してやればと、こういうようなことでございました。もう夏季施設で日光に行くのは時代遅れかな、そのようなことも感じた次第でございます。
 かねがね、この寄附については、特定目的を有する公共活動であれば、これには寄附をしたいというような話を聞いておりますけども、いざこれが具体的になってまいりますと、企業サイドのそのことへの協力条件もあるわけでございますから、そういったことについても長谷部議員のお知恵をかりながらさらに前向きに進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 カフェについてお話がございました。
 この渋谷には、かつて神宮前地区の渋谷川遊歩道沿いの補助一六〇号線にオープンカフェを設置し、来街者の誘導や地元商店会の活性化を図るための社会実験が道路占用許可のもとにこれが開催されておるわけでございます。
 しかし、今日はカフェはどこにでもあるということでありますし、自販機もある、そういうこともございますし、さらには、公共施設もある。そのようなことになってまいりますと、このカフェを中心とした対応策はどこまでできるのか、このことは、何をコミュニティカフェにするのか、その実態をもう少し見きわめていく必要があるのかな、そのようなことを思う次第でございます。
 小規模ポケットパークをもっともっと増やすようにと、こういうお話でございました。この渋谷区でも、これまで緑と防災空間の拡大ということで積極的に対応したときがあったわけでございますけれども、その空間を地元も行政も十分に使い切れていない、そういうこともあっただろうと思っております。しかし、これは日本の風土かもしれません。
 したがいまして、そのようなことも考えながら、これからさらに検討、努力をしてみたいと、このように思います。
 音楽、美術、体育の先生を外国人にすることについてのお話でございました。
 これは私よりも教育委員長にお尋ねになったほうがよかったんじゃないのかなと、こう思いますけども、お尋ねでございますので、お答えをさせていただきたいと思いますけれども、確かに我々グローバル人材の育成、そのためには語学の習得は欠かすことはできない、このように思っております。
 先ほど御提案のことについては、もう松濤中学校が既にやっているわけでございまして、この外国人指導員がALT等が協力しながら、英語だけでなくて、音楽、美術、家庭科、体育、これについても英語でやっているということでございます。運動会も、御案内かもしれませんけれども、英語でやっておりまして、私はちんぷんかんぷん、わからないんでございますけれども、いい方向に進んでいるな、そのようなことを感じている次第でございます。
 これをほかの学校に適用していくためには、この学校教育とどういうふうに折り合いをつけていくのか、それぞれ学校運営の中の工夫が要ると思います。そういうことがないと浮いちゃいますから、そういう文化ですから、そういうことについても配慮しながら検討させていただきたいなと、このように思っている次第でございます。
 アーティストの作品をこのビルをつくったときにはということで御提言をいただきました。私もこれからのまちはこの利益主導型のまちづくりでなくて、人間性を創造する、そういうまちでなくてはならない、このように思っている次第でございます。
 そういう意味では、この御提言は大変重要な話をされていらっしゃると思うんでございますけれども、既に代官山エリアにおきましてはインスタレーション作品の展示をしているというようなことで、これは北川フラムさんだと思いますけども、御熱心にやっていただいております。残念なことに、これが広がりを見せてこないということがございますけども、それだけにこのことについては特色あるまちづくりになっているのかな、このように思っております。
 このような感性のある地域あるいは企業の多くいらっしゃるところには、人も多く集まり、またまちも発展しているように、企業も発展しているように、私は思えてなりません。そういう意味では、こういう文化を大切にするまちであり、企業であってほしいと思うんでございますけども、義務化することについては、これはどうかなと思っております。
 それから、カフェや居酒屋などの場所で仕事をこなすノマドワーカー、私は全然わかりませんでした。というお話でございました。日本の風俗も変わってきているんだなと、こう思いますけども、私どものこのことについては、まだ私、言葉もわからないぐらいですから、さらに区民施設や公園にWiFiフリーの場所を増やせというような話でございます。防災の機器として昨日は御答弁をさせていただいたんでございますけれども、これをどう設置するのか、どう使っていくのか、そういうことも含めて検討をさせていただきたいと存じます。
 さらに、この渋谷にファッション、アートの分野で、渋谷の持つストロングポイントであるファッションあるいはデザインに対する支援についてのお話であったと思います。ファッションウイークとかデザインウイークとか、そういうものもおぼろげながらやっとわかりかけてまいりました。私もこれは地場産業である、そのような認識に立ってこれからも御協力できる部分については積極的にやってあげたいな、このように思っておりますので、またお引き合わせをお願いをしたいと思っております。
 それから、LGBT、難しいんですけれども、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーのパートナー証明についてというお話でございました。
 渋谷区では、平和国際都市として多様な方々を受け入れる中で、その中ではLGBTの方々も含めて、この方々を受け入れる共生社会でなくてはならない、このように思っている次第でございます。 今日では、国においても平成十六年七月には性同一性障害の性別取り扱いの特例に関する法律が施行されまして、家庭裁判所の審判により戸籍の性別変更が認められるようになってきた、それも一つのこのステップかなと、このように思いますけれども、議員提案のこのパートナー証明の発行でございます。これが一体どういうような意味を持つのか、あるいはこれを、難しいことを言うようでございますけども、自治事務の範囲内として考えることはできるのかどうか、その辺についても研究する必要があるだろうと、このように思っております。貴重な御意見として承らせていただきたいと存じます。
 アパレル在庫寄附についてのお話でございました。アパレルメーカーの抱える在庫、これを寄附をしていただいて区民に還元をしていただく、そういう御提言であっただろうと思います。しかし、これは区がやるということになりますと、また大変な人員と体制が必要になってくるというようなこともございますし、これをスムーズに、また自然な形でやっていくためには、区民フェスタか、あるいはリサイクルバザーとか、様々な形でそのことに関心の高い区民の方々がいらっしゃいますから、そういう方々にも呼びかけてこの事業を完成に向けて努力をしたい、このように思っております。よろしくお願いをしたいと思っております。
 ゆるキャラづくりについてのお尋ねでございました。
 ゆるキャラづくりは、募集段階からその最初の出方が大切だ、こういうふうにおっしゃったと思います。私も、職員も、そのような気持ちで取り組んでおりますので、いい結果をまたお知らせできるんではないかと、このように思っております。
 以上、答弁といたします。よろしくお願いします。

○議長 前田和茂 長谷部議員。
○ 十番 長谷部 健 
予想以上に夢のある答弁でありがとうございました。
 まずちょっとだけ、カフェについてなんですけれども、お茶を飲む場所とか休む場所といっていたんですけど、今やカフェは学びの場にもなっていて、若い人たちが朝、これは例えばおもしろい現象だったんですけども、十人ぐらいの若い社会人が集まって、今ある時事の問題というのを並べて、興味ある話題を当番を決めて来週までにこれを調べてこいといって当番を決めて、また翌週会って、調べてきた人たちがその時事の問題について語り合う、説明する、そういうことを普通にやっているというか、渋谷大学もそうですけども、若い人たちが意外に学びたいと思っている人というのは大勢いて、その場が実はカフェになっているというのが今渋谷に見られる現象なんです。
 あと、古くからカフェというか喫茶店ですね、そこに集まって、本当に商店街の話をしたり、町会の話をしたり、PTAの話をしたり、やはり区の施設にもコミュニティスペースというのをつくってお茶を飲める場所をつくるぐらいですから、それがもっと専門になっていたりとか、そのカフェ、喫茶店をやるときには必ずそういう催し物をやるということを義務づけしたりとかすれば、ますます地域コミュニティというものがそこにできてくるし、住んでいる人じゃなくて、このまちが好きで来る人も渋谷には大勢いますから、働いている人、好きで来る人、そういう思い入れのある人たちをカフェというのが一つの拠点としてまとめられるという場所なんです。
 ですので、そういったところも踏まえて是非御検討いただけるといいかなと思いました。
 あとは、同じように公園についても、コミュニティスペースになり得るポケットパークという小さい公園、別に本当に公園じゃなくてもいいんですよ。ところによってはバーベキューができるセットが置いてあったりとか、もしかしたらそこのコミュニティスペースは集団でごみを置くスペースになってもいいかもしれないし、とにかくみんなが集まる場所というのをポケットパークぐらいのサイズでどんどんやって入れかえていく。あれだったら入れかえもそんな難しくないですし、どんどんいけるんじゃないかということでこれは提案させていただきました。ちょっとその辺も踏まえていただけるとありがたいです。
 あと、おっしゃるとおり、音楽、美術、体育の先生については、新教育委員長に質問すれば確かによかったというか、でも、大学時代アメリカで過ごされて、ずっとビジネスでも毎年のように海外に行かれて、今もそのお年で英語が堪能でいらっしゃる山本新教育委員長になられたということなんで、この辺についてはもっともっと進むと僕は思ってますんで、それを期待して今回は失礼します。
 それと、新しいビルを建てるときに新人にアーティストの作品を飾ればどうかというときに、代官山の事例をお話しされましたが、もちろん、あそこはあそこでいいんですが、代官山というんじゃなくて、渋谷区全部がそういうアートにあふれるまちになったらいいんじゃないかと。何か何てことない普通のそば屋さんでも、何でこんな絵が飾ってあるんだろうとか、この八百屋さん、普通の八百屋さんなのに何でこんな変なオブジェが置いてあるんだろうとか、アートにもいろいろあって、例えば最近ちょっとはやってきているのがアウトサイダーアートと言われる分野で、これは障害の人がつくったり、昔でいうと裸の大将みたいな、山下 清さんもアウトサイダーアートに入るんですが、ああいった作品とかもすごく情熱があって、みんな見れば感じると思うんですね。
 そういうのは、障害者がもっと普通にこのまちにまざってくるきっかけにもなるでしょうし、原宿にある「はぁとぴあ」の界隈の商店街で例えばそういうことができるようにしたりとか、何かいろいろな、ビルをつくるときに必ず義務とするだけじゃなくても、作品をまちにいっぱい出すという方法はまだまだいろいろあると思いますんで、アートのまちというからには、やはりアートが飾られる場所をもっとつくらなきゃいけないと。もっというと、街路灯とか、ガードレールとか、そういったものももっとアートっぽくていいかもしれないし、自転車置き場だってもうちょいアートっぽくていいかもしれないし、何かいろいろなものにアート、デザインというのが入る要素がありますんで、是非何かそういうことを検討していただければと。実は以前そういう思いでデザイン課というのをつくったらどうだろうというような御提案をしたんですけども、そんなデザイン課をつくらなくても、職員の皆さんがそういうことを常に気にしていただければ、これはルールにしなくても可能かなというふうに思っております。
 ノマドワーカーについては、今これからもうどんどんはやってきますので、是非、もうちょい資料をお持ちしますのでインプットしてください。お願いします。
 LGBTのパートナー証明については非常に前向きなお答えで、可能性が見えたかなと感じております。これ、意外にですけども、例えばアーティストとか美容業界、ファッション業界とかでも、かなりいらっしゃるんです。カミングアウトはしてないだけなんですけども、ただ、そういう人たちが大手を振って歩けるのはどうも新宿二丁目ぐらいしか今なくて、それもやはり夜のまちということで、やはりちょっと社会から外されている感じがするんです。さっき言った多様性を認めるまち渋谷、だからこそ懐深く彼らを受け入れて、より彼らの才能を開花する場としてこの渋谷がそうなれば、僕らが目指す国際都市渋谷、世界に誇れる国際都市渋谷、多分、お金を稼ごうとか、いろいろもうけようと思ったら、やはり上海とかシンガポールにはかなわないんだと思うんです、あの勢いで育っていますし。だけど、例えばですけど、東アジアの子どもたちがアートとかクリエイティブなことを学ぼうと思ったときに、海外に留学しようというときに、今までは大概だったらニューヨーク、ロンドン、パリだと思うんです。そこにベルリンとかストックホルムが入ってくるかもしれませんが、そこにやはり今度は東京、渋谷というのがそこに入ってくるようなまちにしていかないと、経済の争いばかりしていてもその辺は勝ち目がないし、もうちょい成熟というか、そういったステージに来ていると思うんです。そのときにやはりこのLGBTの人たちというのは非常にいい意味で戦力になると思いますんで、是非これも前向きに検討していただければと思います。
 アパレル在庫寄附については、人員についてということはおっしゃっていましたんで、例えばですけど、アースデイマーケットとか、代々木公園でやっているNPOの団体は、こんなの声かけたら喜んで参加してきます。ただ、区としては、寄附の受け先として区がないと非課税にならないですから、そういう意味で区の協力が必要ということです。人員のことであれば全く心配ないです。それも是非また今度御提案させてください。
 ゆるキャラについてはすばらしい決意をお聞かせいただいて、大変うれしく思います。いやいや、本当に渋谷でやるのがしょっぱいものだったら全くやる意味がないと思うんです。ちょっと予算については今回お伺いしていませんけども、是非しっかり予算を割いて、それ以上の見返りがうまくいけば絶対返ってきますから、ある程度しっかり広報していくことも含めて、戦略を持って、多分、普通に黙っていると、ゆるキャラはホームページと区ニュースで募集して、そこで集まってきたものを何か判断して決まるみたいなことになってしまったり、それをどの場面で登場させるかという戦略までないままにつくって発表してしまうと、間違いなく沈没してしまうと思います。渋谷がやるんですから、是非その辺は気合を入れてやっていただければと、それは伝わったのかなと思います。
 今回、夢のある答弁をいただいちゃったので、今バーッとしゃべったんですけど、特に再質問はないです。あとは、この答弁を受けて、これを形にしていくということが僕の次の使命かと思っていますんで、どんどんまたポジティブにいろんな案を提案させていただきます。
 どうもありがとうございました。


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