2006年 11月定例会 代表質問原稿


○七番 長谷部 健 今回のテーマは、渋谷区の環境計画についてです。

渋谷区には、御存じのとおり環境基本計画があります。この環境基本計画、本当によくできていると思います。ただ問題は、まだまだ計画どおりにいっていないという点です。これは渋谷区だけの傾向ではありません。国や都や企業を見ても、こと環境問題になると、まだまだプランの段階から大きな一歩が踏み出せていなくて、アクションでの大きな成功事例がないのが現状です。

いきなりこの現状に対してアクションで大きな成功事例をつくるというのは非常に至難のわざです。これについては皆さんもご承知のことだと思うし、僕自身も環境にかかわるNPOを運営していますが、その業界でもアクションとして大きな成功事例はなかなか出てきていません。この問題の難しさを肌で感じています。

でも、よく考えたら、これは当たり前のことなんです。五十年いや百年以上もかけて壊してきた環境問題を一気に解決できるということはなかなか本当に難しい問題なんだなと感じます。世の中で、世界中でこれだけ議論されている問題だから、手っ取り早い解決策があるのであれば、とっくに実施されているはずです。

どうやってこの問題に挑めばいいか、その回答は地味ですけど、小さな成功事例の積み重ねから始まると思います。実際に世の中、矛盾ばっかりです。例えば、割りばしを使うのをやめてマイ箸を持とうというキャンペーンがあると、それに対し、森林を維持するためにはある程度の伐採も必要で、間伐材をもっともっと使うべきだという意見も出てきたりします。何か新しいことを始めると、必ずそれに対し異論が出てきます。でも、この状況は極めて健康的な状況で、当たり前のことだと思うんです。

今問題なのは、こういった状況でお互いに矛盾についてばっかり議論していてちっとも前に進まないこと。「マイ箸キャンペーン」もやるべきだし、間伐材につては割り箸もつくればいいし、それ以外の活用方法を探るべき。問題は、前に進まないことだと思います。

こういった問題は、いろんな場面で見られます。例えば日本のアジア外交でも言えることと思います。ああだ、こうだ言ってないで、今行われている民間レベルの小さな友好の成功事例をどんどん積み重ねていくことと思います。例え話がちょっとそれましたが、環境に戻します。

幸い、環境に関することでは、今、世の中にはこの小さな成功事例の芽が出てきています。個人、団体、行政、企業がそれぞれで取り組みを進めています。ただ、残念なことに、行政は行政、企業は企業、NPOはNPOと、まだまだそれぞれが自分たちのフィールドの中での取り組みにとどまっています。今、この一つ一つの力は小さなものであっても、これをつなげて束にしていくことができれば中くらい、もしくはもっと大きな事例になっていきます。ゆっくりと小さい事例の成長を見守っている段階から、その速度を速めるために、今ある変化の背中を押してあげる必要があります。

行政には、その背中を押すこと、束ねることができます。今、渋谷区役所にある小さな成功事例も、区役所の外にある成功事例と結びつくことで、より大きな成功事例となるし、より多くの人を実際の具体的なアクションにまでつなげることができると考えます。

例えばですが、ここで具体的な大きな輪をつくっていくためのアクションプランを提案します。名づけてシブヤロハスプロジェクトです。

ロハスというのは、Lifestyles of Health and Sustainabilityの略で、健康と地球環境に配慮した生活スタイルのことです。発祥はアメリカの言葉ですが、日本での認知も二十代の若者から三十代、四十代中心に幅広く広がり、今、多くの企業がこのロハスに着目しています。今やロハスという言葉自体が企業のマーケティングにとって不可欠なキーワードになっているからです。

そこで、例えば次のような取り組みを渋谷区が中心となって、企業やNPOと結びついて一緒に実践していくことで、人々の環境意識を高め、実際の環境活動につなげていくことができると思います。

〔パネル提示〕
このロゴマークは、様々な人、物、事が乗れる船です。イコールのようなマークの下の部分には何でも入ります。ロハスだと思われるものすべてがです。

〔パネル提示〕
渋谷の公園もあれば、清掃活動の様子、企業のマークなど何でもオッケーです。一つのプロモーションでみんながつながるということを表現できます。

キーになる色も決めます。今回の提案では浅黄色という日本古来からの色を使用しています。伝統の色ですが、新しさを感じる色でもあります。ちょっと想像してみてください。清掃職員のユニフォームや区職員の作業着の色もすべてこの色で統一すること。清掃車の色もこの色に変わったらインパクト大です。公共の物の色を統一することで一体感が生まれ、人々の意識に訴えることもできます。この色をまとったものを見かけるたびに、あ、渋谷区は何だか変わったぞ。何か新しい環境に対しての取り組みが始まったぞとなることをねらっています。

〔パネル提示〕
街や公園に置くごみ箱も統一していくといいでしょう。ごみ箱については、家庭ごみが捨てられる等の問題で、設置を積極的にしない方向もありますが、繁華街にはやっぱり必要だと思います。

〔パネル提示〕
この活動に賛同するお店に、こういうロゴマークの入ったポスターが張られることも、きっと人々の意識に対して訴えかけることになるでしょう。

企業と組んでいけば、税金ではなく企業のお金で、例えばここ渋谷の駅前ビジョンなどでも訴求ができたりします。

こうやってプロモーションに参加する企業をどんどん増やしていくことで意識の輪をだんだんと大きくしていければと思います。ただし、何でもかんでも使っていいというわけではありません。もちろん使い方は区役所がチェックしていきます。

そのほかにも、例えば年に一回、シブヤロハスウィーク、こういうものを実施したらいかがでしょう。渋谷区の全域を会場とするロハスな取り組みを進める企業やNPOの見本市です。お祭りの間の一週間、渋谷区に本社や支社のある企業や渋谷区で活動しているNPOは、自分たちの取り組みをそれぞれの会社や活動スペースで紹介するとともに、それを渋谷区も積極的に紹介します。そのかわり、それぞれの参加企業やNPOと渋谷区は将来に向けた環境対策などの推進に向けた緩やかな協定を結びます。内容は、それぞれの企業やNPOの発案でも構わないと思います。

またほかに、シブヤ環境企業円卓会議みたいなことをやってはいかがでしょう。渋谷区に本社や支社のある企業の緩やかな参加により、自社の取り組みの紹介や今後の自社の取り組みの展望、渋谷区に望むことなどについて意見交換を行います。そこで、渋谷区や参加企業間で一緒に進められる取り組みを見つけて、順次実行に移していきます。区役所が弱い外とのつながりを強化することで、情報収集の面からも大きな成果が期待されます。

また、環境特区、もちろんこれはロハス特区という名前でもいいんですが、こういうことをやったらいかがですか。例えば、渋谷区内で特に神宮前や本町地区は道路が狭いエリアがあります。最近は住宅街に事務所などが増え、宅配業者のトラックがばんばん走っていて危険を感じるときがあります。そこで、配送トラックを進入禁止にし、トラックのかわりに電動カートでの配送を許可します。エリア内に荷さばき所及び太陽光発電でのそのカートの充電ができるステーションを設置します。CO2の削減にも大きくつながるし、安全だし、まさにロハスだと思います。ちなみに、これをすべて税金で実施するわけじゃありません。企業とのタイアップで実施可能です。これを特区申請などができれば、さらに効果が上がることが見込まれます。環境特区、ロハス特区という言葉だけでも、人々の意識に訴えかける力があります。

今まで話したことは、決して絵そらごとじゃありません。幾つかの企業、NPOに打診してみたところ、積極的な感触を得ています。残念ながら日和っているのは区役所でした。実施するにはどうしたらいいか、正直及び腰になってしまうんですよね。でも、世の中にはこういったことを実施したい、実施できる人や企業は幾つもあるんです。そういう人たちと渋谷区役所が手を組み、巻き込むことで形になると確信しています。

以上のような仕掛けを行政が、渋谷区が中心となりつくっていくことで、これまでの点であった行政や企業やNPOなどのそれぞれの取り組みを線や面につなげていくことができると思います。そして、それが大きな束になったとき、人々の環境意識を変えることではなく、実際の行動にも移すことにもつなげていける、そう思います。つなげていく役割は、フェアな立場にある行政にしかできない作業です。行政が重い腰を上げれば実際に世の中は変わります。こういった区の計画から、企業やNPO、区民を巻き込んだアクションへと進めることを是非この渋谷区で実践してはいかがでしょうか。区長の御所見をお伺いします。

また、今までの例でもわかるように、アクションの部分は多分にコミュニケーションですから、クリエーティブの要素が強いものと思われます。以前も齋藤議員が近いことを御提案されていましたが、ここで思い切って渋谷区役所の中にデザイン課をつくってはいかがでしょうか。もちろん専門職ですから、外部からの募集になると思います。先ほど説明したプランもデザインの力によるものだし、区ニュースなどの区の広報やちょっとした街にあるマークにもその力は生かせます。

例えば、この場所立入禁止、そういう看板が一目で理解できるマークに変えれば、子どもから日本語のわからない人にも簡単に伝えることができます。情報発信の街、渋谷区なのですから、是非、この渋谷区役所にデザイン課があればと強く感じます。あわせて区長の御所見をお伺いします。


区長答弁
○ 区長 桑原敏武
長谷部議員は広告代理店のお勤めになったキャリアがあって、さすがこの問題の提起の仕方が独自性があって、私にも傾聴に値するものがある、このように感じました。
私自身も環境問題については非常に大きい関心を持っているわけでございますけれども、とりわけ昨年、アリメカを襲ったハリケーン。この被害は温暖化に対する関心を世界的に広めた、このように思っております。また、京都議定書の第一条約期間、これは2008年から12年でございますけれども、これを二年後にその開始を控えているというようなことで、日本においてもどのようにこの環境問題に対して目標達成していくか。その政策のあり方について議論が重ねられていると、このように思っております。
また、この環境対策、温暖化対策について具体的に何を目標とするのかと、そういうことについても議論があるところでございまして、私もいろいろとその温暖化の悪影響の目安として何をとらえるかということで、一つには種の絶滅というようなことで、サンゴ礁は一度温度が上昇すると死滅すると、こういうことでございますし、究極的な極端な気候変動あるいは、その影響の世界的な範囲、地理的範囲、あるいは大規模な連続的な事象として南極やグリーンランドの氷床崩壊、そういった問題についてどのように取り組んでいくのかというようなことが問題になっていると、こんおように私承知しているところでもあるわけでございます。
今、違った視点からのアプローチについて長谷部議員はおっしゃったと、このように思いました。単なる絵にかいたもちではなくて、それを具体化していく。それはどういうふうにやればいいかということについて後提言があったんだと、私はそのように思います。民間の成功事例を区とともに、これを進めていく。そして今ある変化の背中を押して前へ進めていこうと、そういうような御提言と私は受け止めたわけでございます。
そのために私、おもしろいなと思ったのは、渋谷のロゴとして公共の色を統一する、あるいはロハスウィークということで、言うならば、今様の言葉で言えば環境のお祭りみたいなものだと思いますし、また、そのための円卓会議を持つ、さらには環境特区を申請して、新しい環境問題の取り組みを区から情報発信していく、そういったことについてのお話であったと思います。
今日、地方分権時代、まさに創意ある提言を形にしていく、それが区に求められていることであり、それはまた企業の力をかりながら、企業の資金もかりながら、こえをまとめていくということについては、私もこれから真剣に取り組ませていただきたい、そのように思いますので、ひとつしっかりとまたご提言いただきたい、このように思います。
その次にこのロハス推進のためにデザイン課をおいてはというようなお話がございました。このことについては、斉藤一夫議員が平成16年の第3回定例会においても、このときは文化水準、美的水準をもっと上げたらという視点からのご質問であったと思いますけれども、今回は環境問題という点からのお取り組みだと、このように思っております。
大変意味のあるご提言であると、このように思っておりますけれども、今の時代趨勢は民のことは民でと、このような時代の動きもあるわけでございまして、具体的にじゃ、デザイン課で何をやるかということになりますと、また様々な問題があろうと、このように思いますので、これからの検討課題にさせていただきたい、このように思うものでございます。
そういったことで長谷部議員のご提案、ロハスの問題については渋谷区もご一緒してお取り組みをさせていただきたい、そのことを申し上げて答弁とさせていただきます。

答弁を受けて
七番  長谷部 健
デザイン課の方についてはちょっと残念な感じでしたが、渋谷区が周りと組んでロハスを軸に取り組んでいくという力強い言葉をいただけたと思います。

環境問題については、やはりみんながどうやってアクションを起こしていくか。そのキッカケが本当に大変なんだと思います。でも実際やってみると大したことないんですよね。僕もエコバッグを持ち歩いているんですけど、それを持つことによって、実際、自分が今まで使っていたコンビニの袋なども7割近くは使わなくなりました。最近では忘れてコンビに出かけると、あぁ失敗したなぁと思うくらい、ちょっとした罪悪感を感じるくらいです。でもそれは決してストイックな話じゃなくて楽しんでできるんですよね。

こいった意識をあげていくこと。それは区だけじゃやっぱりできないと思います。是非、提案させていただいたことが絵に描いた餅にならないように、僕も最大限協力します、努力します。みんなで一緒にこの渋谷が日本中に誇れる、世界に誇れるカッコイイ環境の区になれるよう頑張っていきましょう。以上をもって終わります。

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